一昨日、バレンシア自治州政府がスポーツ施設閉鎖の再延長を発表しました。これにより、3月1日までグラウンドで練習できないことが決定しました。
バレンシアサッカー協会がバレンシア自治州政府に、練習の再開の懇願書を提出していたので、もしかしたら来週から練習できるかもしれないという僅かな希望を持っていましたが、残念です。
今現在、バレンシア州でのコロナ感染者は減ってきていますが、(それでも日本に比べたら圧倒的に多いです)まだ死亡者が減ってきていません。
少しでも早く第3波が終息することを願うばかりです。
さて、今回の記事では、私がレベル3の指導者資格を取得するまでに受講してきたカリキュラムを記していこうと思います。
スペインでサッカーの監督になるためには、主に4種類、より詳しく分けると5種類の方法があります。
スペインサッカー協会が主催するコース、各州のサッカー協会が開催するコース、スペイン政府スポーツ·文部省が主催するコース(公立、私立)、そしてTAFADという資格を取るという5つの方法です。
詳しいスペインのライセンス制度については、また別の機会に記そうと思いますが、今回は私が受講したスペイン政府スポーツ·文部省が主催する私立のコース(オフィシャル)についてまとめていきたいと思います。
※この情報は私が受講してきた内容です。各州によって条件、内容など異なりますので、各州にて最新情報をご確認ください。
目次
コース受講のための必要条件
レベル1
- 義務教育を卒業していること
- 義務教育卒業認定試験に受かること
- 実技テストにクリアすること
注意事項:日本人は、日本の学校卒業証明書をスペインのと同等と認められる手続きをしなければなりません。(オモロガシオン)
私はこれで一度、痛い目を見ました!!泣
【一般実技テスト】
- 50m走
- 2000m走(男子10分以内)(女子12分以内)
- ジャンプ力 45cm以上 女子35cm以上
- メディシンボール 6m以上
【サッカー実技テスト】
- ロングパス
- 直線ドリブル
- 2mずつ離れた4つのマーカーのジグザグドリブル
- ペナルティーエリアからのシュート
- ボールをゴールから拾って縦のペナルティーラインまでボールを落とさずリフティング
- サイドラインにある2m×1mのミニゴールへシュート
- 仲間からのパスをトラップして方向転換の伴ったドリブルをしてから壁パスを1、2回する
- 50cmのハードルの下にボールを通して、それをジャンプ
- 続いて50mのハードルの上にボールを通して、その下を潜る
- 最後に3本ペナルティーエリアの外からシュートする
- 5ポイント以上獲得して、3分以内で行わなければいけない
スタートしてからゴールするまでに3分を超えず、技術面で10点満点中5点以上獲得すること
レベル2
- 義務教育を卒業していること
- 義務教育卒業認定試験に受かること
- レベル1を受講し、合格したもの
レベル3
- 義務教育を卒業していること
- 義務教育卒業認定試験に受かること
- レベル2を受講し、合格したもの
- サッカー協会に第一監督として登録し、6ヶ月以上チームを率いること
※サッカー協会に行って、指導証明書を発行してもらう必要がある
受講内容
レベル1
(Ciclo Inicial de Grado Medio de Técnico deportivo en fútbol)
合計講習時間 455h
【補足領域】25h
- 英語
- 情報処理
- 障害者教育
【一般領域】105h
- 15h スポーツ生理学と解剖学の基礎
- 15h スポーツトレーニングからの指導教育心理学の基礎
- 20h スポーツトレーニング理論
- 5h スポーツ社会学の基礎
- 5h スポーツの法律、組織
- 45h スポーツ衛生、応急処置
【特定領域】175h
- 10h キャリア形成 1
- 10h チーム指導 1
- 20h サッカートレーニングの指導方法
- 15h フィジカル準備 1
- 20h ゲームルール 1
- 20h スポーツ安全 1
- 40h ゲームシステムと戦術 1
- 40h 集団と個人の技術 1
【実践養成領域】150h
レベル2
(Ciclo Final de Grado Medio de Técnico deportivo en Fútbol)
合計講習時間 530h
【補足領域】45h
- 英語
- 情報処理
【一般領域】95h
- 30h スポーツ生理学と解剖学の基礎 2
- 20hスポーツトレーニングからの指導教育心理学の基礎 2
- 30h スポーツトレーニング理論 2
- 10h スポーツ社会学理論
- 5h スポーツの法律、組織
【特定領域】190h
- 10h キャリア形成 2
- 20h チーム指導 2
- 20h サッカートレーニングの指導方法 2
- 35h フィジカル準備 2
- 20h ゲームルール 2
- 60h ゲームシステムと戦術 2
- 60h 集団と個人の技術 2
【実践養成領域】200h
レベル3
(Ciclo de Grado Superior de Técnico deportivo en fútbol)
合計講習時間 875h
【補足領域】75h
- 英語
- 情報処理
- バレンシア語
【一般領域】155h
講義 実技
- 10h 10h スポーツバイオメトリクス
- 20h 20h スポーツハイパフォーマンストレーニング
- 20h 10h 運動生理学
- 10h 5h ハイパフォーマンスのスポーツ社会学
- 10h 5h スポーツハイパフォーマンス心理学
- 30h 5h スポーツ管理、経営
【特定領域】370h
- 30h 10h キャリア形成 3
- 15h 15h チーム指導 3
- 15h 10h サッカートレーニングの指導方法 3
- 20h 30h フィジカル準備 3
- 15h 10h ゲームルール 3
- 5h 5h スポーツ安全 3
- 30h 70h ゲームシステムと戦術 3
- 20h 70h 集団と個人の技術 3
【実践養成領域】200h
【最終課題論文】75h
取得後にできること
レベル1
- juvenil(U19) の4部以下の監督 第2監督はレベル1以上
- Preferente(2部)以下のCadete(U16)
- Autonómico Infantil(U14) 以下
- 8人制サッカー(U12)の全てのカテゴリー
つまり、
- U19以上のどのカテゴリーでも監督になれない。
- U19の1部、2部、3部の監督になれない。
- U16の1部の監督になれない。
レベル2
- アマチュア5部以下の監督、第2監督はレベル1以上
- Liga nacional(U19)2部以下の監督 第2監督はレベル1以上
- Cadete Autonómico(U16) 1部以下. 第2監督はレベル1以上
つまり、
- U19以上のtercera división (4部)以上の監督になれない。
- U19の1部の監督になれない。
レベル3
- 全てのカテゴリー
- 4部リーグの監督、第2監督はレベル2以上
- DIvición de honor(U19) 1部以下 第2監督はレベル2以上
つまり、
スペインの全てのカテゴリーで、監督になることができる。
バレンシア州で指導できるカテゴリー↓(スペイン語
また、レベル3を取得すると、以下の大学の研究へのアクセス権が与えられる。
- 教師 (全ての専門分野). 社会教育
- 理学療法
- 作業療法
- ソーシャルワーク
- 看護
- 観光企業と活動
- 観光
- 身体活動とスポーツ科学
またレベル3取得後は、以下の仕事に就くことが可能になる。
- 高性能スポーツセンター。
- スポーツ技術センター。
- サッカーの学校。
- サッカースポーツ技術者のための学校やトレーニングセンター。
- スポーツ系の有限会社。
- サッカークラブ、協会、団体。
- サッカー連盟。
- 自治体のスポーツ委員会や財団。
- スポーツサービス会社。
指導者学校情報
最後に、スペイン政府スポーツ省·文部省のライセンスをとることができる学校を紹介します。
バレンシア州公立 ↓
https://www.boe.es/buscar/doc.php?id=BOE-A-2000-5990
私が通った私立学校 MIFRA valencia ↓
他の私立学校
レベル1、レベル2↓
https://www.estudiadeporte.com/centros/tecnico-deportivo-futbol-grado-medio/
レベル3
https://www.estudiadeporte.com/centros/tecnico-deportivo-futbol-grado-superior/
以上です。